水目

闇目(やみもく)の者がおまえを攫いに来るまでに
緑目(りょくもく)の者が持っている雷のさかずき
赤目(せきもく)の者に渡し泥を薄め飲み干さすは
銀目(ぎんもく)の者、その喉に当たるいかづちは
海目(かいもく)の者の渦に巻かれ犠牲となるのは
水目(すいもく)の者、その者である、その者がおまえをいざなうだろう

おまえは臙脂の怒りを沈め、死して尚生きるに在る者に導かれ
どんな塵も残さず定め彷徨え、水目がおまえを迎えに来るだろう
死に生きるに非ず、生きて死に非ず、どの顔を向けるのか
死して、尚生きよ、血が何処を流れて辿り着いたか知る前の日に見よ
血脈の運河に舌を垂らし給え、稲光の轟がおまえを覆う
その目の前に水目その者が現れ目が見開かれるとき、おまえは知る
水目の目をおまえは見る
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