Stolichnaya + Cheap Wine

昨晩は白チープワインだけではなかなかテンションが上がらず自分の中にグルーヴを見出すことができなかったので酔っ払ってネットで買った記憶のなかったロシアのウォッカ(ウォッカは酔い方が凄まじいので長らく買うのをやめていた)である懐かしいストリチナヤの白ワイン割を思いついて実行、飲んだその瞬間から漲るグルーブで踊り出したがこれが楽しく次から次へとストリチナヤの白チープワイン割を飲んで、そして気がつくと僕は布団の中で寝ていた。時計はAMの5時気持悪さで起き上がり台所でパイナップルジュースの水で割った奴を飲んで、さらにもう一杯の水を飲んだ。気持悪さでまた布団に入ろうとしたその時、敷布団の上、ちょうど腰の当たっていたところらへんに変な薄茶色状のもぞもぞした丸い鶉の卵ほどの大きさの乾燥した塊を発見した。一瞬、うん?こ、これは、ま、まさか・・・と慄いたが、まさかそんなはずもない、自分の身体が汚れている節もない、ではこれは一体・・・それをチリ紙で包んでよく見てみた。観れば見るほどこれはまさに猫が吐く毛玉にそっくりであったのである。私はそれをぽいと屑入れに入れて気持悪さからまた二度寝に入った。しかし気味の悪い、寝られない頭で考え出した。
あれはつまり、こうとしか考えられないであろう。
昨晩、僕は、猫になったのである。ストリチナヤをチープワイン割すると、人は猫になるということが判明してしまったのである。しかしおかしい、おかしいのは、何故そしてまた人間に戻ったのかということである。酔いがさめると同時にその魔法も消えてなくなってしまうということだろうか。
しかしそれで猫になって毛玉を吐いたところまでは納得が行くが、納得が行かないのは、何故、その毛玉は乾燥していたのか、ということである。これが最大の謎で私の頭を最大限までに悩ましめた。
これは、恐らくこうゆうことだと私の脳内は決定を定めた。
つまり、昨晩、私は猫に化けた後毛玉を吐いた、そして気絶した。そこへ夜空の高いところのほうから、ウ~~~ンという音をさせながら一台の未確認飛行物体に乗ってきた未確認生物なる宇宙人グレイがやってきて、そして窓をすり抜けて部屋の中に黙って入ってきた。そして私が吐いた毛玉のそのまだ柔らかいやつに向けて人差し指を当て、ウィーンという音と共にそこから超乾燥風が光速で当たり一瞬にしてその毛玉は乾燥されたというわけであろう。そしてこの仕事の任務を遂行するために地球へとやってきた宇宙人はやり終えた満足感を噛み締めながらまたウゥーンという音と共に宇宙に飛んで帰っていったのである。
その任務は宇宙人にとってとても大事な任務であった。何故なら乾燥させないとぬれた毛玉で僕の着ている服とそして布団たちが汚れてしまうという大事が起きてしまうために、この人間は布団が汚れようともこの先5年は布団を洗わないということがわかっている為にその任務は宇宙人にとって絶対的に成功しなくてはならない仕事であったのである。
ありがとう、宇宙人よ、君は大成功を収めたよ。私は二日酔いの気持ち悪さの中、心でそう呟いた。
二日酔いも何故かマシだ、ああそうだ、起きてすぐに水をたくさん飲んだからだ、しかも、パイナップルジュースがよかったのだ、パイナップルは毛玉の排出作用があるからね、僕の中にまだ残っていた猫の素質が癒されたのであろう。
二度寝の後、起きて周辺をよく観ると、絨毯の上にあたりめが散らばっている、机の上には酒をこぼしたのであろう、ちり紙の山、そこに群がるコバエたち、スモークドオイスターを二缶空けている、自分の過去のfacebookを読み直していたようだ気色の悪い、素鳥地納屋の瓶は良かった約150ccほどしか減っていない、それでこのざまかと私は途方に暮れ、散らばったあたりめを拾った。
屑入れの中の毛玉を恐る恐るよく見てみる、匂いをかいで見る。それはもろ、あたりめの匂いであった。しかも結構レアな状態でもあった。
私は若干記憶の隅にあるようなないようなことを思い出した。
なんとなく、昨晩、酔いすぎたためにあたりめを噛んで飲むことができずに、噛んで味の抜けたその塊を布団に寝そべりながらそこに、ぬべ、と出したような気がするのであった。
気がおかしい、いくら酔いつぶれていたとはいえ、口の中でしがんだものを布団の上に出す者があいるか、私は恐ろしさに身が震えた。
ストリチナヤのチープワイン割の恐ろしさを知ったのである。










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