神の慰みか、24日の夜、スーパーへ買い物へ出掛けようとしたとき、暗闇の中で街路樹にもたれかかったある一台の自転車に目が留まった。暗いからよくわからない、でも僕は、はっとして、もしかして僕の自転車かな?と思って手に触って動かしてみた、したら僕の自転車だった。
僕の知ってる限り以上に彼は錆び付かれていて、また後ろのタイヤの屋根がいつもより凹んでいるように見えた。
でも、僕には、クリスマスイヴのサンタのプレゼントかな、なんて思えたんだ。
僕の知ってる以上に彼は錆び付いていた。
でも、彼は戻ってきてくれた。僕の自転車。
彼は未だに後輪がパンク状態。
修理に出そう。僕は思った。
いくら出してもいいだろう。彼にまた乗れるなら。
僕のサンタからのクリスマスプレゼント。
僕は喜んでまた悲しくもあった、籠に酢の瓶とビール缶とイチョウの葉がたくさん入っていた。
イチョウの樹にもたれかかかっていた、彼は。
何故、彼は僕の知らない場所で、いたぶられただろう?
後輪の屋根の部分は僕の知る限り以上に凹んでいた。
何故、僕の知る限りの痛みを彼は知らされただろう?
僕はクリスマイヴに嬉しさと同様の重さの痛みを覚えた。
彼を修理して、僕はまた乗りたいと思う。
でも、また僕の知れない時に攫われたら?
何故、why?
僕のものを、いたぶるの。
何故。
僕の大切なものを。
David Sylvian - Nostalgia
この曲は僕の16歳上のお姉ちゃんが好きな曲。
深い血の繫がりのある愛おしい人と趣味が合うのはとてつもなく嬉しいことで、僕は嬉しすぎて泣きたくなる。