お父さんとお兄ちゃんにものすごい剣幕で怒りテーブルの上に乗った食器をいくつも投げつけて言った。
「僕は死ねばよかったのか!」
僕は外へ飛び出した。心配させてやるんだ、探しても見当たらない場所を探した。
でも知ってる道にいくら歩いても辿り着けない。
どこを歩いても廃棄物が捨てられている以外何もない。
急な坂を上った先は廃棄された錆びきった自動車が積まれている。
坂から飛び降りた。重なるスクラップの山、ドラム缶に当たって死んでしまいそうだ。
一つ二つ生えた草を食む兎がいたのはもうずいぶん後だ。
それ以外草の一つも生えていない。
人工で埋め尽くされた場所。
暗く緑がかったコンクリート壁の狭い坑道。
僕は怖くなって走って戻った。
こんな場所は嫌だ、何故どこにも冷たい赤く錆び付いた廃棄物しかないんだ。
こんなところで眠りたくない。
僕はこんなところで眠りたくない。
眠れない。
こんな場所じゃ。
こんな場所で死にたくない。
鉄の擦れ合う音以外何も聞こえない。
それは産業に利用されて死んでいった人間達が捨てられた場所に見えた。